街の特性
先日名古屋に出張に出かけた。古くなったオフィスビルの需要を回復する為にエントランスの改修の計画の依頼があった。
改修というのは実は建築的な要素は少なく、とりあえず内装材や外装材をはがし、新しいものを貼り付ければ終わり。
と言うことで、「お前やってみろ」的な感じで担当に。。
ただこういったオフィスビル工事の中で一番お金を使うのは外装とエントランスなので、その両方を出来るというのはなかなか個人的にもおいしいし、楽しい仕事。ワクワク。。
とまあそれはそれで、何が言いたいかというと、東京と名古屋って全然違うなってのが印象。
もちろん大きな都市ではあって中心部なのでそれなりに栄えているけれど、道が広く空も高く見えるし、歩車分離の考え方も綺麗に出来ている。
ただ、なんとなく閑散としているような感じがした。道が広すぎるのか、建物と建物との間が開いているせいなのかよく分からんが、なんとなく寂しい感じがする。
実はこの「なんとなく」はよく言う「感性」に近いものだと思う。街としてはすごくいいなと思っても「好きではない」のだ。
好きではないということに理由はない。
東京にもいろんな街がある。代官山、吉祥寺、新宿、渋谷、青山、恵比寿、六本木などなど。。。
どの街もよさがあり欠点がある。俺はお洒落な人が好きで、お洒落な建築が好きで、モダニズム建築が大好きで、お洒落な街が大好き。仕事では飛び切り高級感にこだわるようにしている。
ただ。。きっと自分はカオスのような、雑多で小汚い空間が潜在的に好きなんだろうとも思う。
犬がお風呂に入った後、体のにおいがなくなるのを嫌うように、綺麗な空間に居るとなんだか落ち着かない自分もまた居る。
自分は何処へ向かっているのか自分でも分からない。自分は最終的には何処に行き着くのか。お洒落系なのか、それとも土着的な生き方なのか。きっと自分は後者の人間なのだと思うけれども、もう少し葛藤してみたいとも思う。
かっこいいのも大好きだけれど、ダサイものも本当に好きなんだよね。いつか、わざとダサさをデザインしてみたいと思う。