客家土楼へ
今回のメインである土楼を見に行くため長時間のバス旅行がはじまる。
厦門の都会の雰囲気から徐々に田舎の風景に変わっていく。人も車も忙しそうに行き
かっている。
山の中をただひたすら進んでいく。
川をバスで渡る。道の幅が狭く途中バスから降ろされる事も。。
不思議な形をしたこの土楼はアメリカが核兵器を造る大型の秘密基地だと間違えるほどの異様な建物。
土楼は大家族を収容する巨大な集合住宅であり、集と個の明解な二つの領域で構成さ
れている。
中央へ向かうほど公共性が高くなる構成で実に不思議な建物である。適から攻められ
る事を避けるためにこのような集合住宅を思いついたのだという。攻められた時は入
り口を塞ぎ閉じた社会をつくりそこで生活をするらしい。
本当に不思議な空間だ。そしてこの形をつくるために色々と工夫をしているようだけ
れど、つくりやディテールに関して全くの配慮をしていないところが面白いところ
だ。例えばこの家の瓦はたんに屋根の骨組みの上にのっているだけの構造となってい
る。雨は多分洩るだろうし、固定していないから強い風がきたりするとずれたりする
と思う。だからよく見ると適当な感じが伝わってくる。
ウルルン滞在紀にでも出てきそうな場所だった。観光地化もそれほどされていないの
で、本当に珍しいものを見た気分になれた。
閉ざされた場所、閉ざされた文化がここではあり、不思議なくらいそこだけ時間がゆっくりと流れているような不思議な体験をした。