ガードマンと私
本格的に仕事を始めて一ヶ月。
まだまだ分からない事だらけ。それでも僕より30歳ぐらい年上の人達が俺のことを「監督さん」と言って敬語を使って話してくる。
ある一定時期で変わる職人さんとは違いガードマンだけは竣工まで常駐するという。
そのガードマンは65歳のおじいさん。
いつも敬語を使ってしゃべりかけてくる。きっと人間的には何倍も尊敬されるような人なのに。。
ガードマンは8時間ほとんど立ちっぱなし。。日陰はない。
やすみ時間にはいつもタバコをくわえている。体はすごく元気そうだけれど耳は65歳並に悪い。
今日の職人さんには75歳がいた。
顔のしわが職人としての風格、歴史を物語っている。
こんな素敵な人生を送っている人達が僕に敬語を使ってくる。
暑い暑い太陽の下で。。。
僕のような小さな人間に
敬語で話しかけてきてくれる。。。
俺は泣きそうになったり、あせったり、分からなくて戸惑ったり、質問したり、笑ったり、愚痴を言ったり、ふてくされたりしている間にも、ガードマンはいつも現場の入り口に立って入出するダンプやミキサー車から安全を守っている。
俺はいろんな感情をガードマンに見せている。ガードマンはいつも同じ笑顔で返してきてくれる。
本当にすごい人だよ。
尊敬します。
そしてずーっと僕らをこれからも守っていってほしい。