takatomboのひとりごと(子育てパパの日記)

男性の子育てってなんだ?どこまでが子育て?毎日の気づきをブログに書きます。

建築論

新建築住宅特集(2005.04)に手塚貴晴のつくるための理論「建築の基本的要素を考える」が載っていた。手塚貴晴の建築をつくる時の考え方、理論がわかりやすく書いてあった。手塚貴晴+由比は今や世界的に有名ではあるけれど、「建築の手法がワンパターン化していて単純である」と言われている。もちろん空間としての評価は高いけれど、理論が欠如しているとの批判も耳にする。

我々は他の建築家が真似ることの出来るアイデアを想像する行為を好む。真似ることの出来るアイデアもしくは真似ると良いアイデアは時代を変える力を持つからである。 〜中略〜一人の建築家の殻を超え、最終的に一般人まで影響を与える建築は強い。

このように自分の建築が時代を超え、真似される建築をつくろうとしている。リチャード・ロジャースの弟子であるがゆえに構造への探究心も人一倍強い。しかし彼は「構造を表現しないこと」を心に決め、構造を露にせず、大開口で間接的に表現している。開口ともう一つ手塚の特徴として、今まで当たり前に存在していた建築の一部を発掘しだし、それを磨き上げ空間を表現するのが特徴である。彼の建物のヤゴは単純明快であり、タイトルを聞いただけでやっていることが分かってしまうぐらいコンセプチュアルに建築をつくっている。彼の建築を学ぶ際、モダニズムの単なる追及だけのワンルーム開口建築と誤解してしまうと、今の時代を見失い、設計が出来なくなってしまう可能性があるように感じる。現代の建築を否定的に考えがちの人達も多いけれど、もっと積極的に考え直す必要もあるのではないかと思った。